🪷【源氏物語435 第14帖 澪標9】親友の中将は権中納言になった。四の君が産んだ姫君を未来のお妃として大切に育てている。夕霧も殿上童として御所に上がる。 〜一時不遇なように見えた子息たちも浮かび出たようである。 その中でも宰相中将は権中納言になった。 四の君が生んだ今年十二になる姫君を 早くから後宮に擬して中納言は大事に育てていた。 以前二条の院につれられて来て高砂《たかさご》を歌った子も 元服させて幸福な家庭を中納言は持っていた。 腹々に生まれた子供が多くて一族がにぎやかであるのを 源氏はうらやましく思っていた。 太政大臣家で育てられていた源氏の子はだれよりも美しい子供で、 御所へも東宮へ…