●歌は、「…わが戀ふる千重も一重も慰むる情もありやと吾妹子が止まず出で見し軽の市にわが立ち聞けば玉襷畝火の山に鳴く鳥の聲も聞こえず玉桙の道行く人も 一人だに似てし行かねばすべをなみ妹が名喚びて袖ぞ振りつる」である。 ●歌碑は、奈良県橿原市見瀬町の牟佐坐神社にある。 奈良県橿原市見瀬町 牟佐坐神社 万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌をみていこう。 歌碑は、原文、書き下し、訳ともにアンダーライン部である。 ◆天飛也 軽路者 吾妹兒之 里尓思有者 懃 欲見騰 不己行者 人目乎多見 真根久往者 人應知見 狭根葛 後毛将相等 大船之 思憑而 玉蜻 磐垣渕之 隠耳 戀管在尓 度日乃 晩去之如 照月乃 雲隠如 奥…