孝徳天皇が断行した近代国家への政治改革、大化改新は大成功を納め、孝徳天皇に富と権力が急速に集中。天皇以外の皇族を含む豪族は既得権益や私有資産を次々と剥奪され、官位という見慣れないものが与えられるという状況に追い込まれる。 天皇に集中する権力 日本書紀の孝徳紀は天皇自身による詔のオンパレード。 現代日本人は、『天皇は象徴であり配下の官僚が実際には行った』と考えてしまうが、日本書紀は行動の主体は明確に孝徳天皇としている。孝徳天皇自身が自ら命令を下し、命令に違反した者を自ら弾劾している記載となっている。 一般に大化改新は中大兄皇子と中臣鎌足が主導したとされているが、行政面で中大兄が出てくることはない…