展覧会『中野由紀子「障子、明け方か夕方か」』を鑑賞しての備忘録藍画廊にて、2022年5月22日~58日。 28点の絵画で構成される、中野由紀子の個展。 《窓際と植物、カーテン》(1620mm×1920mm)は、白っぽい画面の中央上部に描かれたヒヤシンス(薄花色)のハランや深緑のヤシなどの植物、そして画面左下にハランと同じ薄花色で表わされた格子が、目に飛び込んでくる。それらシンプルに表現されたモティーフの周囲には、やはり植物や格子(サッシの桟や框)が主に深緑で描かれているが、白の絵具が塗り重ねられ、シルエットのようになっている。また、ハランの背後には差し色の明るいスカーレット(銀朱)が白い絵具の…