・・・抱きしめる。 小川洋子『いつも彼らはどこかに』(新潮社 2016年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 たっぷりとたてがみをたたえ、じっとディープインパクトに寄り添う帯同馬のように。 深い森の中、小さな派手大木と格闘するビーバーのように。 絶滅させられた今も無亜のシンボルである兎のように。 滑らかな背中を、いつまでも撫でさせてくれるブロンズ製の犬のように。 ーーー動物も、そして人も、自分の役割を全うし生きている。 気が付けば傍に在る彼らの温もりに満ちた、8つの物語。 裏表紙より 【読むべき人】 ・大人向けの童話が読みたい人(現代日本が舞台の「帯同馬」を除く) ・寂しい人 ・愛することを忘…