generative grammar ノーム・チョムスキー(Noam Chomsky)らによって構築された言語理論。それまでの行動主義・経験論的な立場に立っていたブルームフィールドの構造言語学への批判から生まれた。表面的なデータから機械的に文法を帰納するのではなく、無限の適格文のみを生み出す有限の機構としての言語能力の解明を目指した。
はじめに 論文集『分散形態論の新展開』が刊行されました。 分散形態論の新展開開拓社Amazon 学会の書籍販売では1ヶ月ほど前から並んでいましたし、先日の記事でも触れましたしTwitter(限X)でも何度か言及しているので特に同分野の方には何度目だこの話という感じかと思います。 上記の記事に書いたようにWikipediaに「分散形態論」の項目を作成しましたので気になる方はのぞいてみてください。現時点では英語版より正確な内容になっているはずです。ただ内容は入門としては書いてないのでこの項目を読んだだけで理解するのは難しいと思います。 ja.wikipedia.org 簡単な紹介 分散形態論はもう…
はじめに 言語学な人々アドベントカレンダー 何を書くか Wikipediaの項目を作成してみて 形式面 内容面 英語版の問題点 用語の翻訳 補足など 用語・概念に関する変更 例に関する修正 そのほか おわりに 文献 はじめに 言語学な人々アドベントカレンダー この記事は「言語学な人々 Advent Calendar 2023」の2日目の記事として書きました。 adventar.org 今年もなんとか登録できて良かったです。あっという間に枠が埋まってしまったので第2弾もできています。 adventar.org 何を書くか Wikipedia日本語版に私の専門に関する項目「分散形態論」を作成しまし…
チョムスキーは、アメリカの哲学者、言語学者、認知科学者、論理学者です。1928年生まれで、現在はマサチューセッツ工科大学の言語学および言語哲学の研究所教授兼名誉教授を務めています。 チョムスキーは、言語学において「生成文法」の理論を唱え、言語学に革命をもたらした人物として知られています。生成文法とは、人間がどのようにして言語を生成することができるのかを、普遍文法に基づいて説明する理論です。チョムスキーの理論は、言語学だけでなく、コンピュータサイエンスや数学、心理学など、さまざまな分野に影響を与えました。 チョムスキーは、政治活動家としても知られています。ベトナム戦争やイラク戦争などの戦争を批判…
はじめに 言語学な人々アドベントカレンダー どうしてこんな記事を書くか 用語 なぜ生成文法へ 生成文法との出会い 言語現象が入口に 理論を(で)やっていて良い点 コミュニケーションの手段としての理論 理論と記述の関係 凡人でも参加できる 勉強の方法、あるいは英語との付き合い方 理論の勉強は知っている人とやる 英語の文献 Chomskyは(先に)読まなくて良い 生成文法は英語ばかりやっているか おわりに 関連記事 はじめに 言語学な人々アドベントカレンダー この記事は「言語学な人々 Advent Calendar 2022」の6日目の記事として書きました。 adventar.org 昨年は登録前…
思っていることをそのまま書くのは大切と言うか、ある意味効率がいいように思います。あれこれとこねくり回し過ぎると、永久に書けません。少なくとも僕の場合は。 空白の取り方や文章のリズム、漢字や平仮名の選択。色々な文章作法。その全てが執筆を助けてくれるように思います。他の力を受けているほどに、より豊饒になります。 「あなたへ」みたいな題名で何か書きたい気分。小説のようなものを。では、そうした動機はどのように生じてきたのかとか色々考えてみるのもまた面白いのでしょう。そのために、精神分析を用いるのも一興でしょうし、あるいは、機能に徹底的に着目して分裂分析を行うというのもまた一つの手でしょう。ただ一つ確か…
(2022年5月23日 加筆修正 That Trace Effect違反の例文追加 ) 英語ニキさん(英語ニキ@受験英語Vtuber (@eigonikiV) | Twitter)というYoutuberをご存知でしょうか。可愛らしい少女のアバターと少しギャップのある渋い声で英語を解説する動画を投稿されています。視聴者が楽しめるように内容も工夫されています。 今回の記事では、英語ニキさんが出したクイズについて考察します。 下記問題文の誤りを含んだ部分はどこでしょうか。 #ニキちゃんクイズI have some papers here which I really think would be w…
潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる潜在意識ってどんなもの? この世は全て催眠だ(103)〜潜在意識は成功ツールの宝庫〜 古来より、偉人達が「全て潜在意識に任せよ」と喝破する、宇宙と直結するエネルギー!この人の無意識の中には、一体何が入っている(隠されている?)のでしょうか。 個人的無意識の中には、その人の物の考え方や感情、そして、自分とはこう言う人間だというセルフ・イメージなど多くの情報が含まれています。そして、今までしっかりと話してきましたように、その個人的無意識は、もっと深い無意識によって支えられています。この深い無意識があって初めて我々「個人」が存在するのです。 我々人間の最…
1. 前回、補文をとる構文について、Ⅰ型とⅡ型の違いを、補文標識を基に簡単に見てきた。 「~ト見る」「~ト見える」という形式の構文は、Ⅱ型の他に、Ⅵ型、Ⅶ型(の一部)がある。 ここでは、補文標識「ト」を取らないものをも含めたⅦ型全般を取り上げる(※「モノト」をとる構文については今回は扱わない)。 Ⅶ型は、認知の対象がヲ格で登場すること、「見える」の文が存在しないこと、が特徴であるが、同様の意味を持った、対象をガ格で表す構文(Ⅱ型、Ⅳ型、Ⅵ型)と対応関係にあることにも注意したい。その故に、その対応する構文の種類によって、Ⅶ型は、さらに下位のクラスに分類できる。 a. 警察は、君を主犯格だと見てい…
はじめに 合宿?形式の夏期講座 授業と参加者 形態論初級(伊藤たかね) 生成文法中級(酒井弘) 形式意味論(郡司隆男) 日本語文法上級(金水敏) そのほかの授業 そのほかの時間 生成文法の補講(岸本秀樹) 研究発表(希望者) 休憩中など おわりに はじめに 日本言語学会の夏期講座2024の締め切りが8月19日(月)まで延長されたというお知らせを見て、覚えているうちに自分が参加した思い出を書いておこうかなと思いました。もしかしたら参加を迷っている方の参考になることがあるかもしれません。 日本言語学会夏期講座2024 ただ、私が参加したのは20年以上前の1度だけですし、運営として夏期講座に関わった…
関連記事のリンクが集まりそうだったので、エントリーを起こす。直近1週間ほどのものが多い。 直接のきっかけは、この記事だった。 digital.asahi.com ミューオンに限らず宇宙物理学という分野は、直接的な実用からほど遠いジャンルと言われる。だがブコメにあるようピラミッドや古墳の非破壊内部調査など、意外な応用が広がっている。 ブコメというなら誰かが書いていたように、素粒子物理学は宇宙の根本を研究している学問であり、大麻密輸の検出に応用できたとはしゃぐのは、むしろはしたない部類と考えるべきかも知れない。 と言いつつ、こんな記事も読んだ。X旧ツイッター経由である。 www.scienceti…
1. アスペクト知覚に関わる日本語文について、知覚の動詞「見る」「見える」を使用した文を中心に、その構造を見て行きたいのだが、前回挙げたような、それ以外の認知的/心理的動詞文の構造にも(できる範囲で)目配りしておかなければならない。というのは、それらとの類似と差異という関連の中で見ることが、その理解に必須と考えられるからである。ただ、それら全般を正面から取り扱うのは荷が重すぎるので、実際には「見る」「見える」の構文が中心になる。ここでは、そのためのごく一般的な視点について述べておく。すなわち、前回見た多様な文を、どのような視点から構造的に捉えるか、を問題にしたい。 例えば、(<内容格>を持つも…
「▶腐女子の奨め22 ゆる言語学ラジオのYouTuber紹介するぜ」 YouTube動画「小林・益川理論は腐女子の妄想と同じ?偉大な科学者と腐女子の共通点について【雑談回】#199」を以下に要約しました。 「▶腐女子の奨め22 ゆる言語学ラジオのYouTuber紹介するぜ」 あるYouTube動画では、小林さんと益川さんという登場人物が、お酒を楽しみながら様々な話題に花を咲かせます。今回のテーマは「腐女子の妄想と科学的理論の意外な共通点」です。彼らは、腐女子がキャラクター間の関係を想像するプロセスと、科学者が理論を構築するプロセスの間に類似点があると指摘しています。飲みながら進む議論は、生成文…
AIと人間の探求 最近、私の関心はほとんどAIに向かっています。特に、大脳の拡張機能をどのように活用するかについて、常に自分に問いかけています。小説家になりたいという夢を抱いていた理由の一つは、小説が人間の心を描くものであり、それが人類にとって最も難しい問いに対する答えを探求する手段であると信じていたからです。 ドストエフスキーは、友人への手紙で、人間の探求にすべてを犠牲にしても、それだけの価値があると述べています。この考えに共感し、私も人間とは何かという疑問を解き明かす最良の方法は文学だと思います。 ** 文学と心理学の違い 三島由紀夫と石原慎太郎の対談で、心理学が単なる概念の理解に過ぎない…
[哲学] 谷口一平:「マイナス内包」としての性自認の構成 『情況』2024冬号 大変に面白い優れた哲学論文。ただし、植村はその主張内容は誤っていると思うので、その部分のみを「反論」として以下に箇条書きにする。(引用数字は『情況』の頁数) (1) 「「性自認」が哲学的困難を孕むのは、それが本質的に「心身問題」だからである。・・決定的役割を、心=魂が同時に身体性をも有しているという、この驚異の事実が演じている。・・・超越論的統覚でもある「脳」だけが、マイナス内包としてジェンダーを超越論的に構成する異能をもつ。」87 最初の「心身問題だから」、という部分は正しい。しかし「心=魂が同時に身体性をも有し…
編者:小田 亮[おだ・りょう]名古屋工業大学大学院工学研究科 編者:大坪 庸介[おおつぼ・ようすけ] 東京大学大学院人文社会系研究科 著者:鮫島 和行[さめじま・かずゆき] 玉川大学脳科学研究所 著者:大平 英樹[おおひら・ひでき] 名古屋大学大学院情報学研究科 著者:竹澤 正哲[たけざわ・まさのり] 北海道大学大学院文学研究院 著者:坂口 菊恵[さかぐち・きくえ] 大学改革支援・学位授与機構 著者:齋藤 慈子[さいとう・あつこ] 上智大学総合人間科学部 著者:中西 大輔[なかにし・だいすけ] 広島修道大学健康科学部 著者:玉井 颯一[たまい・りゅういち] University of Tübi…
愚生は、本随筆集の『文學は死んだのか。』において「文學は死んでいる」と書き、ネット書店の丸山健二著『真文学の夜明け』のレビューで「文學は生きている」と書くという、自家撞着した態度をとってしまったが、これらは、愚生の私淑する丸山健二が提唱している『真文學』の可能性を覬覦してのことであった。畢竟、ボルヘスやソローキンのいうように、近代文學からの瀲灔たるながれは、現代では断絶されているかにおもわれるが、丸山健二は『その先に存在』する真文學へと冀望をたくしているのである。 丸山健二は『死んだのは文學ではなく文學もどきである』と断言し、『文學はこれからはじまるのだ』というように標榜する。たしかに、純文學…
見た目もタイトルも、おそろしく地味。ためにはなるけど堅くてあまり面白くない本・・・に見えます。最初のほうは私もそう思って読んでいました。私は言語にふだんから興味のある方だから、オノマトペだけでぐいぐい読めるけど・・・って。 書きぶりも、面白さ重視じゃないんですよ。まさかこの本が、中盤から劇的に面白くなるとは。 この本自体が誠実な学者による論文のような、仮説と、それを証明するためのかっちりとした検証の繰り返しです。この検証実験がね、いい。言語をまだ習得していない8カ月の赤ちゃんに、必要なアイテムを仕込んだ動画を見せて、その視線をたどって習得度合いを測るとか、効果測定の前提がいちいち納得感あるんで…
今日は冷たい雨。一日中。最高気温も 6 ℃ とか? それくらい。 【目次】 読書会に参加 川原繁人『言語学的ラップの世界』 言語学とは? ラップとは? 韻とは? 日本語のラップにおける韻の特徴 韻をデータ解析 難しそう? でもとても読みやすい 万葉集と日本語ラップ 大田ステファニー歓人の受賞スピーチにおける詩 中小企業診断士の資格試験対策 ランニング 読書会に参加 19 時から地元の大型書店で開催されている、読書会に参加。 読書会の内容は、参加者それぞれが自分の紹介したい本を 5 分で紹介し、投票でその日の会でいちばん読みたいと思った本を決定する、というもの。 今回で私の参加は 2 回目。 前…
あなたの価値観はあなたが作ったのですか いまから振り返ると、確かに、私の価値観は私でない誰かの価値観から由来したものです。それでは、あなたは? 高校生の頃に主の道を解かれた時も、学校で哲学者や社会学者による人間社会に対する理解と、あるべき生き方の知恵を学んだ時も、ああなるほどねえと感じられたのは、彼らの多くと同じような、心の背骨が私にも通って、私が生まれてきたからでしょう。そしてあなたは? 私が学生の頃、もっとも畏怖していた、チョムスキーの生成文法は、チョムスキーの中から生まれたのではなく、あたかもチョムスキーが地層を見極めているかのような観察をしているのです。あなたはコトバがどこから来たと考…
「教育の理想」や、「理想的な教育」を語る人は何億人といます(もちろん、私もその一人)。 政治的な発言や著書で有名なノーム・チョムスキー(Avram Noam Chomsky)もよく「理想的な教育」を口にします。 元々(?)が「言語学」の人なので、「普遍文法(Universal Grammar)」から発展させた論理を「教育」につなげたといえるでしょうね? (普遍文法(Universal Grammar)) 言語学の生成文法における中心的な概念で、全ての人間が(特に障害がない限り)生まれながらに普遍的な言語機能 (faculty of Language) を備えており、全ての言語が普遍的な文法で説…
最近良く見ているYouTube YouTubeはいろんなコンテンツがあってマジで沼りますね。 面白くて何時間も見てしまう。 そんなわけで、最近見ているYouTubeをピックアップします。 www.youtube.com 別に言語学に興味があるわけじゃないんだけど、二人の話すうんちくが面白い。 「象は鼻が長い」の話面白かった。 主語は英語に合わせて作ったフォーマット。 「は」は主題を意味している。 主語をなくすという考え。 なるほどと思った。 生成文法の話を見ているけどさすがに難しい・・・ 面白いけど、難しい・・・ www.youtube.com サマーウォーズの暗号の話面白かった。 この人たち…