佐藤大輔作の小説。
ファンタジー戦記物。
「大協約世界」を舞台に、17〜19世紀日本・英国あたりをモデルとしたと思われる島国『皇国』と、ドイツ・ロシアをモデルとしたと思われる大陸国家の『帝国』の戦争を描く。
蒸気船の実用化や後装填銃の登場など技術レベルは地球の19世紀半ば程度と思われる。翼龍による航空近接支援攻撃や偵察、会戦主義の否定、空挺戦術など戦術レベルでは20世紀初頭に達している分野もみられる。
人間以外の知性生物は龍(その特徴は東洋的なもの)に限られ、超自然的な要素は導術という主に感知系の能力に限られる。戦場での導術の使用は術者の極端な疲弊・消耗を招き、死に至る場合もある。とはいえ、通信兵・対人レーダーの役割を一挙に担う導術兵の『皇国』軍にもたらす効果は絶大で、前述の欠点を認識しつつも指揮官は彼らを酷使せざるを得ない。
また架空の動物としては「剣牙虎」と呼ばれるサーベルタイガーや飛龍が軍用に使役されている。
佐藤大輔の特徴である戦略、戦術的な緻密な描写が見られるほか、珍しく性的な描写も見受けられる。
現在、新書で9巻まで発売されている。