源頼朝が御家人の伊東祐時(童名犬坊丸)に与えたとされる太刀。犬房太刀とも。平安末期から鎌倉初期にかけての古備前の刀工「成高」の銘がある。祐時の子孫を称する内田氏に伝わり、後に内田氏一族の豊田氏重代の太刀となった。戦国期、豊田氏が益田氏に服属した際に益田藤兼に献上され、20世紀に至るまで益田家に受け継がれた。 益田家の重宝 益田藤兼への献上 益田氏による豊田氏調略 参考文献 益田家の重宝 寛永二十一年(1644)二月、毛利家臣益田元堯は子の益田就宣へ譲渡する「諸道具」の目録(「益田元堯諸道具譲渡目録」)を作成する。この目録の最後には「右者、従牛庵公御譲之前、不残譲渡者也」とあり、目録の「諸道具」…