「なんか食べます?」 一体どう言うつもりで聞いてるんだろう。率直に思った私はニコリともせず、その質問をしてきた男性に向かって「もう食べました」と淡白に返した。火曜日の夜の出来事である。 都内某所のライブレストランに足を運んだ私は、運良くステージ前…つまり最前列に該当する席を引き当てた。これから観るのは女性JAZZグループによるパフォーマンスだ。グループの中になんとなく見覚えあるアーティストの顔を見つけ、興味本位でやってきた。開場時間中、四人掛けのテーブルに一人座り、ワインの様な赤いブドウジュースと小洒落た明太子スパゲティに舌鼓を打つ。この後始まる上質なエンターテイメントに心躍らせながら過ごす時…