十年以上前に読んでいたのですが、いつか年の瀬に読み返そうと思っていた小説です。短篇の名手、志水辰夫の10本の掌編が載っています。終戦後落ち着いたころから昭和40年代まで、年代順に短編が並んでおり、作者と同じ昭和10年あたりに生まれた人たち主人公になっています。わたしの父が昭和9年生まれなので、自分にとっては父の年代の人たちがそれぞれの時代に体験した生活を読み取ることができました。それがなぜか懐かしく感じるのは、おそらく、わたしが幼かったころに、こういう生活をしながら大人になるのだろうと漠然と思っていたところに重なるからでしょう。なぜ、年の瀬に読み返したくなったのかは、年を重ねるごとに変っていく…