それは、1通の封筒から始まった。 会社を辞めて、サイドFIREを達成した。収入の柱は配当金と少しのフリーランス収入。「これからは、時間を自由に使って、自分らしく生きていこう」そう思っていた矢先のことだった。 ある日、ポストに届いた一通の封筒。差出人は、市区町村の役所——。 開けてみると、そこには国民健康保険料の納付書が入っていた。 目を疑った。金額の欄に記載されていた数字は、想像よりもずっと大きかった。 「え、会社を辞めたばかりで、収入はそんなにないはずなのに……?」 そのとき初めて、私はこの制度の“落とし穴”に気づいた。そして同時に、「これは自分だけの問題じゃない」とも。 サイドFIREをし…