困っているように見えた。 だから、声をかけた。近づいた。手伝えることがあるか聞いた。 コツモさんにとって、それは自然な流れだった。 誰かが大変そうなら、すぐ動く。 考えるより先に、体が前に出る。 迷いはない。善意だから。 でも、相手は少しだけ驚いていた。 助けようとする距離と、助けを受け取れる距離は、いつも同じじゃない。 コツモさんは、そのズレに気づいていなかった。 近づくことは、優しさだ。でも、近づかない優しさもある。 相手が求めているのは、手じゃなくて、余白かもしれない。 コツモさんは、ほんの一歩だけ下がってみた。 善意は、そのままでもいい。ただ、距離を測る時間を少しだけ足せばいい。 締め…