* 17音の魔法 言葉によって織り成されるさまざまなテクストはその言葉に宿る「意味」と「リズム」のいずれかを重視するかによって「散文」と「韻文」に大別されます。ここでいう「散文」とは小説、随筆、論文、法律、手紙、新聞記事、SNSのつぶやきなどを典型とする「意味」を重視するテクストです。これに対して「韻文」とは詩歌、謡、小唄長唄、都々逸、歌舞伎の台詞、歌謡曲の歌詞、ヒップホップのラップなどを典型とする「リズム」を重視するテクストです。 これらの韻文のうち「五・七・五」の定型で詠まれる俳句は極めてシンプルなリズムによって成り立っているテクストであるといえます。例えば「行く春を近江の人と惜しんだ」と…