封切り三日目。 席数349の【シアター6】の入りは八割ほど。 タイトルを見て、更に予告編を十数度観て、ああこれは〔オリエント急行殺人事件〕のパターンだなと検討を付ける。 が、それでは、実際にはトリックや構成の三割程度しか予想できてはおらず。 さすがに『東野圭吾』だけあり、凡百な組み立てに堕することはなく、鑑賞者や読者を惑わせるレッド・へリングを巧く織り込みながら、裏をかく手管の冴えは変わらず素晴らしい。 「パレード」との単語にも二重の、「沈黙」に至っては三重の意味付けが成されていたことにも鑑賞後驚く。 十五年前の幼女殺人、そして三年前の少女殺人。 両方の事件で犯人と目された容疑者は、取り調べ時…