標記公演を見た(5月24, 25日、6月8日 東京文化会館 大ホール)。クランコ版『ロミオとジュリエット』は2022年に団初演された。2年ぶりの今回は、主役3キャストが5、6月を跨いで2回演じる日程が組まれた。主役はほぼ同じながら、脇役のキャストを増やし、ダンサーの様々な可能性を広げている。思いがけない配役も見られるが、斎藤監督の頭の中には明確なビジョンがあるのだろう。ダンサーたちに "役者” になって欲しい、いずれは『オネーギン』上演をと、プログラムで語る。 クランコ版は1962年、シュツットガルト・バレエ団により初演された。その6年前、クランコはボリショイ・バレエ団ロンドン公演で、ラヴロフ…