小説家、詩人。 1950年、愛知県生まれ。2014年8月30日、死去。 1973年『蒼い影の傷みを』で婦人公論女流新人賞、1980年『ホテル・ザンビア』で作品賞、1992年『エンドレス・ワルツ』で女流文学賞、1995年『声の娼婦』で平林たい子文学賞を受賞。著書は『猫に満ちる日』『ミーのいない朝』『水の中のザクロ』『ガーデン・ガーデン』『花響』『母音の川』『風変りな魚たちへの挽歌』『午後の蜜箱』『私がそこに還るまで』『さよならのポスト』『還流』など多数。
本日はお天気よろしで、日中の気温もあがりました。予定通り庭へと でて草取り作業などをすることにです。あとひと月もしたら庭じまいと なりますので、今年の草取りは、これで最後になるでしょう。 庭仕事で一番大きなのはすぐ近くのグループホームの庭に植え込んで ありましたバラの株を掘り上げて、我が家に持ってきて植え込むことであり ました。小さなグループホームは来年3月いっぱいで閉鎖することになった ために、その前に当方が植えたバラだけ持ち帰ることになったものです。 そこそこ大きな木になってきているので、植え替えは大変でしたが、 うまくついてくれるでしょうかね。 午後から久しぶりで行きつけの本屋へと足を運…
新左翼に疲れていた若者たちが、あったのかと思う。 一九七〇年の安保改定に向けて、六〇年代後半は若者たちの政治行動が盛んだった。六八年の春には東大入試が実施されなかった。前年の安田講堂立てこもり闘争の後片づけが済まず、いまだ荒廃治まらぬ情勢だったからだ。 新左翼の各セクトは、路線対立による分裂様相をますます深めていた。日本共産党に対する批判や他セクトに対する批判が先鋭化するなかで、主敵であったはずの国家権力批判については、定型符丁化し紋切型になってゆくかに見えた。言葉のみが過激に積みあがり、行動の面では極端化・跳上り化して、多くの社会人の実感から遠ざかる傾向にあった。 が、その現象を滑稽だの漫画…
1995年、今から27年前の本だった。長いこと、書庫に保管されていたのだろう。本を開くと、古い紙のにおいがした。いやな感じはしなかったから、わたしは思わず鼻を本に近づけて、においを嗅いだ。図書館で、稲葉真弓さんの本をいくつか借りてきた。一人の女性たちのひそやかな日常を淡々と描いているストーリーが多かった。柔らかな筆遣いのいたるところに、散りばめられている情緒。一語一語をかみしめながら、丁寧に読んでいく。ぜいたくなひとときだった。巨大な図書館の地下書庫で働く女性が、間違え電話をきっかけに二人の男性としばし魅惑的な交流をしていく「声の娼婦」。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.…