祖母の手紙 曽祖父「眞吉」 前回の物語 sintamsc.hatenablog.com 大空襲によって自宅も会社も街もあらゆるものを失い、 命一つが残った。 しかし幸いにも近所で親しくしていた方が、 祖母の家にあった大事なものを、 実家に預けて頂けていた事もあり、 古い写真、一部の着物は焼けずに済んだ。 横浜の家は当然空襲によって消失してしまったため、 祖母達家族三人は父と母の実家がある、 海の見える町で暮らす事になった。 最初は祖母の実家にお世話になり、 その後現在の私の実家がある土地にあった、 古い家を修復し住む事になった。 モノは何もなく、あちらこちらで貰い物をして、 助けてもらって生き…