1965年、東京都生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。同大学院を経て、1995年、ケンブリッジ大学古典学部にてPh.D.取得。現在、慶應義塾大学文学部教授。著作に『ソフイストと哲学者の間−プラトン『ソフイスト』を読む一』(名古屋大学出版会)、『プラトンー哲学者とは何か―』(NHK出版)、『哲学者の誕生−ソクラテスをめぐる人々−』(ちくま新書)、『ソフィストとは誰か?』(人文書院)などがある。
随分前に読んだのだが、備忘録代わりにでも書いておかないと次に進めない。せめて、第1章「『哲学の起源』を問う 古代ギリシア・ローマの哲学」の「無知の知」と「不知の自覚」だけでも整理しておこうと思った。インタビュー形式なので読みやすいのだが、読み終えた今となっては、その分忘れやすいような気がしている。インタビュアーは同じNHK出版新書で「試験に出る哲学」シリーズを書いている斎藤哲也さん。 哲学史入門Ⅰ 古代ギリシアからルネサンスまで (NHK出版新書) 作者:千葉 雅也,納富 信留,山内 志朗,伊藤 博明,斎藤 哲也 NHK出版 Amazon このシリーズの売りは、斎藤さんのインタビューを受けてお…
図書館で何となく気になったので借りてみた。 ソクラテスの死にプラトンは立ち会っていないにも拘らず、その情景を「パイドン」で表している。 この本はその、一見不可解なプラトンの対話篇についての考察から始まる。 自身では何も著作を残さなかったソクラテスという人物が、何故、哲学者の始祖の一人として挙げられるのかという問いが、この本の中心だろう。 プラトン、アリストパネス、クセノポンの各著作に当たって考察し、そこに「ソクラテス文学」というジャンルが存在したであろうこと、そしてそれは、ポリュクラテスの「ソクラテスの告発」というソクラテス裁判の告発をきっかけ、そして古代ギリシアの政治状況から、ソクラテスの弟…