三島由紀夫が45歳で自決して50年が経過した(決行日は11月25日である)。 本年はその区切りからか、さまざまな論評を目にしている。生きていれば95歳、自決がなければ生存していてもおかしくはない年令だ。三島が今、生きていれば、日々どのような発信をしているのだろう。黙っては、いない気がする。 同じく存命であれば、どのような発言をするか、と思う作家は、個人的にはほかに澁澤龍彦だ。澁澤は自裁したわけではないが、比較的若年で亡くなっている(59歳)。教科書で出てくる文学とは違った、それでいて文学として確固として屹立しつつ、背徳、蠱惑の要素も強い。ある種の人間、それも私のようにいろいろなコンプレックスの…