一九一九年、敗戦直後のドイツに於いて、二人の男が自伝を世に著した。 一人はアルフレート・フォン・ティルピッツ。 もう一人はパウル・フォン・ヒンデンブルク。 どちらも名うての軍人であり、多分の英雄的側面をもつ。 ティルピッツに関しては、以前の記事でもわずかに触れた。グレート・ホワイト・フリートについて、派遣の真意をルーズベルトに直接問うた彼である。 (Wikipediaより、アルフレート・ティルピッツ) 第一次世界大戦勃発時には、海軍大臣を務めていた。 その自伝の末尾に於いて、彼はこのように書いている。 我が希望をして来るべき時代に在らしめよ、我等は決して奴隷として生まれなかった、二千年間我が民…