自分がこの世に生を受けたのは昭和30年代中期。 終戦からたった15年しか経ってないんだけど戦争の面影はまったく記憶にない。 もちろん今より街は洗練されてなかったし、清潔感もなかった。 東京上野に生まれた。 上野駅ではタオル被った靴磨きのおばさんがサラリーマンの靴を磨いていた。 決まってそのサラリーマンたちは煙草を咥えていた。 沢山の線路が並行して走っている奥に、蒸気機関車が何台も煙を吐いていた。 それは自分の幼少期の記憶で3〜4歳くらいのことである。 親が千葉県の船橋市に家を購入したので、それから大学卒業するまでの青年期はここで過ごすことになる。 大体1970年くらいから1980年くらいまでの…