江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)202遊びにも不景気浸透か五年春 東京市統計書にスポーツ関連の資料がある。昭和五年の「スポーツ観衆人員職業別」を見ると、当時の動向が数値でわかる。陸上競技(日独対抗)の観衆は8,639人、最も多いのもは学生で44%、次いで銀行会社員19%である。ラクビー蹴玉(京大対明大)の観衆は4,577人、最も多いのは学生で51%、次いで銀行会社員15%である。大相撲春場所の観衆は7,515人、最も多いのは商人で25%、次いで学生で15%、銀行会社員13%である。これらが一般的な傾向と断言できないものの、大きく異なるものではないだろう。 これらの数値から想定すると、新聞に取…