挨拶をすることは簡単なことだ。それでも、少し躊躇してしまったときに先に挨拶をされ、こちらは「ああ、はい」みたいな感じになってしまうことがある。負けだ。いや、挨拶は勝ち負けではない。だが、私は負けた、と思うことにしている。先手必勝、先に挨拶をするのだ。無視されても良いではないか。それは見事な一本勝ちである。一本負けだけは避けたいところだ。 負けた! ただでさえ、右や左へ予測のつかない動きをする犬と一緒に歩いていると、すれ違う人たちに迷惑をかけてしまう。申し訳ございませんと低頭に、すれ違いざまにすかさず「こんにちは!」。これだ。挨拶をされて嫌な気持ちにはならないだろう。嫌な気持ちになるのは、挨拶を…