カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した本作。雪の上に横たわる遺体の作品イメージが、「ファーゴ」を想起した。「ファーゴ」はコーエン兄弟によるサスペンス映画でその展開の意外性に驚きハラハラ、まんまとはまった記憶がある。雪に覆われた山荘で男が転落死するが、自殺か妻による殺人か。唯一の証人が視覚障害のある息子・・・。 観始めてほどなくして、これが法廷劇であることがわかる。 裁判の過程で、息子が視覚障害を負った事故が原因で、この夫婦の間に一度深い亀裂が生じていることがわかる。また、妻はドイツ人の小説家だが、フランス人の夫も実は小説家を目指していて、芽が出ないことにいら立っていた。 徐々に明かされていく…