40年前の論文 葦津珍彦の著作に「神祇制度思想史につき管見」という論文があります。1983年(昭和58年)だからちょうど40年前の論文ですね。この論文は葦津珍彦が神社本庁講師・教学委員を勇退するに際して、近代から昭和58年までの神祇制度と思想の大綱を論評したものであって、彼の思想(特に神社本庁に対する考え)を知る上では非常に重要な史料です。 今回はこの論文をベースに本庁問題について考えてみましょう。 統理の指名権 現在の総長の座をめぐる議論は次の①と②で議論になっています。 ①神社本庁総長は責任役員の多数決で決定し統理が形式的に指名する ②責任役員の多数決の結果に関わらず統理の指名によって総長…