初めに どんな人に薦められるか 序章:虚無について~自覚されざる自己喪失 第一章:気分について~頽落の精神 総括 初めに 本書はニヒリズム(虚無主義)のどのように引き起こされるか。またそれが我々に対してどのような悪影響をもたらすのかを主に記している。 特徴として我々(著者自身)がニヒリズムに陥っていることを前提としている。これは哲学的学識をお持ちの方ならニヒリズムについて存じていると思われるが、そのような方でもインパクトのある本であることに間違いはない。また本書を哲学書という位置づけであれば、比較的に容易に読破可能であると思われる。 西部邁といえば保守思想家の中の最も有名な日本人であるが、本書…