母の入院中、主治医の先生からは、以前のような一人暮らしは無理だとはっきり言われました。寝たきり生活とはならないまでも、一人でトイレに行けるようになれば“上出来”とのことでした。 父との思い出が詰まった家に帰るのを願っていた母に、それを伝えるのは辛いことでしたが、先送りすればするほどお互いに辛さが増します。そう考えて、母に自宅に戻れる可能性がないこと、今後の生活のために家を処分すべきことを説明して納得してもらいました。 せん妄の激しい時期。母の気分が落ち着いている時を見計らって、私は不安を抱きながら母に話を持ちかけましたが、母の抵抗は私が予想していたほどではありませんでした。母は帰宅を懇願するよ…