潰瘍性角膜炎とは眼の表面にある角膜が物理的な刺激などによって損傷した状態です。損傷の深さによって、角膜裂傷、角膜びらん、角膜潰瘍、デスメ膜瘤、角膜穿孔と病名が異なり、治療法も異なります。特に角膜びらんより深い損傷になった場合、麻酔をかけた処置が必要になることがあり治療も複雑化します。 今回の子はバーニーズマウンテンの6歳の避妊雌で、左眼の羞明と結膜充血を主訴で来院しました。角膜特殊染色で角膜裂傷が確認されたため、点眼と内服の内科治療を開始しました。徐々に羞明がなくなり傷も修復されて良くなりつつありましたが、3週間目に再度羞明が確認されました。 再チェックした結果、今度は角膜びらんが確認されまし…