🪷【源氏物語427 第14帖 澪標1】須磨の夜の夢に父帝がお姿をお現しになって以来 痛心であった源氏。御菩提を弔うために法華経の八講を催した。 〜須磨《すま》の夜の源氏の夢に まざまざとお姿をお現わしになって以来、 父帝のことで痛心していた源氏は、 帰京ができた今日になって その御菩提《ごぼだい》を早く弔いたいと仕度《したく》をしていた。 そして十月に法華経《ほけきょう》の八講が催されたのである。 参列者の多く集まって来ることは昔のそうした場合のとおりであった。 🪷【源氏物語428 第14帖 澪標2】大后は源氏を追い落とせなかったと口惜しく思う。帝は源氏をお召しになり政治についても隔てのない進…