はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と十三 「ドジョウ ノ ジダンダ?」 「無謀で、身の程知らず」 ん? 「弱者が、己の力を弁(ワキマ)えず強者に挑む、その愚かさ」 んん? 「その儚(ハカナ)さ」 んん、ん~。 ど、どうした、Aくん。 その唐突さが、いつになく弱々しく、自虐気味だ。 「ある朝刊のコラムの中にあった『泥鰌(ドジョウ)の地団駄(ジダンダ)』というコトバが、なんだか妙に忘れられなくて」 ど、泥鰌の地団駄? 初めて耳にする。 「その『泥鰌の地団駄』なるものの意味が『無謀で身の程知らず』なのですか」 「らしいな。実は、僕も、そのコラムを読むまでは、そんなコトバ、聞いたこともなかった」 …