●歌は、「妹に恋ひ我が越え行けば背の山の妹に恋ひずてあるが羨しさ」である。 和歌山県かつらぎ町窪 道の駅「紀の川万葉の里」万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、和歌山県かつらぎ町窪 道の駅「紀の川万葉の里」にある。 ●歌をみていこう。 ◆妹尓戀 余越去者 勢能山之 妹尓不戀而 有之乏左 (作者未詳 巻七 一二〇八) ≪書き下し≫妹(いも)に恋ひ我(あ)が越え行けば背の山の妹に恋ひずてあるが羨(とも)しさ (訳)家に残してきたいとしい子に恋い焦がれながら私が山道を越えて行くと、背の山が妹の山と並んで、恋い焦がれることもなく立っているのが羨ましくてならぬ。(「万葉集 二」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫…