チベット仏教に強い興味があるわけではない。どんな詩なのだろうという疑問が先だった。じゃ、安いし薄い本だし、ちょっと読んでみようかと。ノーベル平和賞を受賞している、みんながよく知っているダライ・ラマが十四世。この詩人のダライ・ラマは六世で、17世紀の人である。亡くなったのは18世紀に入った後だけど。 先入観なしに読んでいて驚いた。非常に俗的なのだ。いわば煩悩だらけ。若い女性を好色のまなざしで見ているような詩が続く。え、チベット仏教ってこんななの?と思ってしまったが、考えてみればタイトル自体も「恋愛詩集」だし、このダライ・ラマさんは早々と自ら還俗(げんぞく)したらしい。 ダライ・ラマ六世恋愛詩集 …