荒川洋治さんのエッセイ選、「文学は実学である」P.14 「白い夜」から。 全世界が机の上に、集まったような気分になるが、これこそ長談義の醍醐味。二,三時間の話など、人間のすることではない、とまで思う。 前も取り上げた気がするが、48歳の荒川さんが、28歳の同じように文学好きの友人と語り合う楽しみを記したものだ。 さてこういった会話は現代では可能なのだろうか。 現代、といったが、このエッセイは1997年に発表されたもののようだ。いわゆる「純文学」が好きな2人、という組み合わせであるが、勿論今でも純文学を偏愛する人々はいるだろう。 まあ、あまり日常では出会わないのだろう。私も会社生活で、絵が好き、…