三重軌道㈱が四郷地区の工業生産物やそれらの原料・燃料を運搬する目的で計画された鉄道であることはここで何度も書いてきた。同時に、四日市港及び院線(※現JR)四日市駅への貨物輸送を行うため同駅南端を流れる阿瀬知(あぜち)川北岸まで延びる貨物側線「阿瀬知川貨物線」が計画されていた、ということも何度も書いてきたと思う。これまでの記事はほとんど同鉄道の旅客運輸路線及び駅などのみに焦点を置いてきたものだが、今回はほとんど知られていない三重軌道㈱「阿瀬知川貨物線」がいつ、どのように完成していったのかを追ってみたい。 その前に、最初から勘違いされていては以降の説明の際困るのでそもそもの大前提から理解しておいて…