日本では猪と豚を明確に区別しておらず、豚を食べることも少なかったという。そんな中、16世紀にポルトガルなどヨーロッパ人が来航したことを契機に、平戸や長崎では豚肉を食べる文化が普及。江戸時代においても、長崎ではオランダや中国の影響を受けて豚肉を含む肉類が食べられた。 日本人の豚に対する認識 豚の飼育と販売 江戸初期の豚料理 長崎の豚料理 参考文献 日本人の豚に対する認識 17世紀初頭に長崎で刊行された『日葡辞書』(日本語をポルトガル語で解説した辞典)には、"Buta"(豚)や"Cacho"(家猪)とあるが、その肉については"Chonicu"(猪肉)のみで、豚肉の記載はない*1。当時の日本人は猪肉…