本稿は、隋書、太平御覧、翰苑などに見える記述を素材とし、史料の範囲で確認できる事実と、そこから導き得る推論を整理した学術的性質の私的考察です。史料の性質上、本文には複数の解釈が成立し得る部分があり、ここで述べる内容は確定的な結論ではなく、あくまで史料に基づく一つの可能性にすぎません。なお、本稿は学術的仮説であり、特定の学説を否定する意図はなく、引用は学術研究の紹介であり、民族的価値判断とは無関係です。 中国史記での時制混乱 別稿(隋書倭国伝の謎)では隋書東夷伝の記述には、時制の混乱があり、卑弥呼の時代、400年あたりの時代、600年あたりの時代、その直後の時代の記事が組み合わさっているため解読…