寒い寒いと言いながらも、本当は春は裏の戸の柿の木あたりまで来ていてとても恥ずかしげに立っていた。嗚呼、あなたでしたか。みすぼらしいズボンと丈の短い白い上着には縫い目の跡が残っていた。あのう、あなたって子どもなんですね。 そう声かけをしてみたが、動こうともせず、じっとしたまま、大きな顔でこちらをみている。君は春の精なんだね!遠い遠い昔に会った。 とてもとても嬉しいよ。君がそこに居てくれたなんて!! 驚きだよ!こんなに素敵な巡り合いがあったなんて……。 私はこれから来る春のことを思っていました。老婆心ですね、 今年もまたあの桜達がピンクに🌸空いっぱいに咲いてくれるだろうかと、心配なのです。サクラは…