120年前、明治34年(1901年)に海外情勢や世界史に関する豊富な知見を踏まえて、当時の明治政府がしゃかりきになって列強と肩を並べるべく邁進していた軍国主義、帝国主義を分析し批判した秋水の初の著作です。軍国主義、帝国主義の前提となる愛国主義なんてものはもう徹底的にこき下ろしています。 彼は土佐出身で中江兆民の弟子。内村鑑三の盟友。同じく土佐出身の林有造や板垣退助の薫陶を授かったジャーナリストです。ゴシップ記事を書いて稼いでいた時代もあったというのですから興味深いですね。書き方も内村鑑三の陶酔風味よりも檄文型の苛烈さがあってわたしは好みでした。 アナキストであり社会主義者の秋水ですが、『帝国主…