五十年近い年月を横浜市民として過ごした。当然ながらその地の食べ物に好きなものが多い。港があり西洋文化が入ってきた。華僑もまた住み着いた。洋食そして中華。横浜の食文化はその地を離れ山梨に住む今も懐かしく、時折接したくなる。決して遠い場所ではないので行けばよい話なのだが。 中華街ならあの店、洋食ならここ、ラーメンならこちら。そして駅弁ならこれ。スイーツはあれだろう…。何十年も同じ街で生きて来たらそんな好みが出来ても不思議ではない。中華街のあの通りの角地。唐辛子と山椒の香りに包まれるあの店だ。文豪の愛したシュウマイの店は?伊勢佐木町のあのシンプルなラーメンは支那そばとも言うべき奇をてらわずに今も昔の…