歌舞伎座昼の部を観劇。夜の部ほどではないが、九分通りの入りであったろうか。最近は本当にいい入りの公演が増えて来た。コロナの頃が嘘の様である。思えばあの頃はひどかった。一時間一演目で価格はかなり安価ではあったのだが、入らない時はそれこそ見物衆の数を数えられそうな位であった。やっている役者衆も張り合いがなかったであろうが、観ているこちらも、このままでは歌舞伎興行が出来なくなってしまうのではないかと不安になったものだった。見物衆の足が戻って来て、本当に良かったと思う。 幕開きは『平家女護島』より「俊寛」。亡き播磨屋が最も好きな演目にあげていた芝居である。この大役に播磨屋の義息菊之助が初役で挑んだ。近…