多汗症の原因は様々です。体質的に強い方と弱い方では成因が異なり、用いる漢方方剤は異なってきます。実証型の強い体質で体内に熱がこもり発汗する方では、黄連解毒湯や白虎加人参湯が選択されます。更年期女性では気が上半身に上衝する気逆による逆上せ(火照り)がよく見られますが、逆上せ後に発汗して収まります。日に幾度となく発症する方では、漢方が用いられます。気逆の中には、気が頭部まで上昇し、頭汗となる方もいます。一方、虚弱者や高齢の方では、気が不足がちになるため(気虚)、皮膚の汗腺が完全に閉まらず、汗となる方もあります。発汗後は体温も低下するため、患者さんにとっては辛い症状となります。このような方では、補中…