寒さを押して、買い物に出る。 疫病騒ぎがあって、ウォーキングの習慣を怠けるようになってから、運動不足による気力・体力の減退は眼に見えて顕著だ。せめて買物くらいはという気がある。草履・サンダルを避け、靴に履き替えるようにしている。ただし風が冷たい日は苦手だ。 「雨上等、雪上等じゃねえか。歩くとしようぜ」 時代劇の旅烏みたいな台詞を口にしたことはないが、気分だけはそんなもんだった年頃が、たしかにあった。今では雨か雪なら、一も二もなく外出を我慢する。勇を鼓して出かけるか、それとも自重するかと迷うのは、せいぜい風が冷たい日までだ。 閉店したファミリーマートの前に、幌つきの大型トラックが停まっている。解…