―その627― ●歌は、「名ぐはしき印南の海の沖つ波千重に隠りぬ大和島根は」である。 高砂市曽根 曽根天満宮万葉歌碑(柿本人麻呂)<写真中央> ●歌碑は、高砂市曽根 曽根天満宮にある。 ●歌をみていこう。 ◆名細寸 稲見乃海之 奥津浪 千重尓隠奴 山跡嶋根者 (柿本人麻呂 巻三 三〇三) ≪書き下し≫名ぐはしき印南(いなみ)の海(うみ)の沖つ波千重(ちへ)に隠(かく)りぬ大和島根(やまとしまね)は (訳)名も霊妙な印南の海の沖つ波、その波の千重にたつかなたに隠れてしまった。大和の山なみは。(伊藤 博 著 「万葉集 一」 角川ソフィア文庫より) (注)なぐはし【名細し・名美し】形容詞:名が美しい…