哀しみの静と荒れ狂う知盛との二役が眼目 鷹之資にとっての船弁慶とは ぴりりと引き締まる舞台 丁寧な静の舞 軽やかな間狂言 地獄の底より知盛登場 一調一管の出打ち 型の違い 2月2部の船弁慶が話題である。五世中村富十郎の十三回忌追善狂言として、富十郎の当たり役としていた「船弁慶」を長男の鷹之資が踊る。 鷹之資は、富十郎が69才の時に生まれた子で、それこそ富十郎は目に入れても痛くないほどかわいがっていた。孫のような歳の差だったから、この世で一緒にいられた時間はそうはなく、鷹之資が12才の時に亡くなってしまった。 先日NHKのニュースで今回の船弁慶のことを報じていたがその中で、幼き鷹之資(本名大)に…