宝永4年9月10日。今朝のことかそれとも昨夜のことか。平岩五右衛門のところの杉という50ばかりの飯焼女が井戸に落ちて死んでいた。今朝それを見つけ出し、頭ならびに目付に届け出た。11日に申刻(午後3時)に決着し、請人に渡した。杉の寝屋はそのままであった。下帯は新しいものを用いており、一重の衣を着ていた。好色な女ではなかった。貧窮でどうしようもなくなってのことか。そもそも乱心か。