明治から昭和初期に活躍した官僚で政治家の後藤新平(1857~1929年)が原案を作った劇曲(音楽劇)「平和」が5月31日に東京・内幸町ホールで初上演される。書籍として発表されたのは、世界情勢が緊迫する第1次世界大戦開戦直前の1912年。時代を超えて戦争の危機にさらされる現代で、地域や人種を超えた平和の重要性を説く。(山田祐一郎) ◆「震災や感染症に脅かされる今こそ」 「震災や感染症に日常生活が脅かされるいま、この劇をやらなければいけないと思った」。今月12日に記者会見で、主催者の「後藤新平の会」の藤原良雄事務局長(藤原書店社主)が初上演への思いをこう話した。劇曲「平和」は、後藤の功績を研究する…