村上春樹全作品 1979~1989〈2〉 羊をめぐる冒険作者:春樹, 村上講談社Amazon今日、村上春樹の初期の代表作『羊をめぐる冒険』を読み返し始めた。そして思ったのだけれど、ぼくにとって春樹の作品はしっかりとこのぼく自身の血肉となって結実している。この考え方のシステムに至るまで。ぼくが16歳の時、彼の『1973年のピンボール』をはじめて読んだ。爾来、ほぼすべての彼の仕事を楽しんできたことになる(図書館で彼が記したレアな文を探して読んだりさえしたものだ)。なぜ彼の仕事はここまでぼくを惹きつけるのだろう。いや、彼はグレートな作家だが(ぼくにとっては充分すぎるほどグレートだ)。ぼくが思うに、春…