【午後、机の上に答えと沈黙】 育成テストの日はいつもより遅く朝ごはんを食べた。食べながら問題の範囲を口に出す。国語、漢字、論説。算数、平面図形。理社は暗記。そういう声だけが部屋に響く。 試験会場から戻った長男は、靴を脱いで、そのまま自分の部屋に行った。何も言わない日はだいたい悪い日だけれど、悪い日とも言えない空気のときもある。 【自己採点は淡々と進む】 午後1時。テーブルに並ぶのは赤ペンと鉛筆。解答用紙と問題冊子。数字は黙って浮かび上がる。 国語、11✫点。算数、12✫点。社会、9✫点。理科、7✫点。合計、39✫点。 声には出さず、息子はそれをノートに書き写した。1文字ずつゆっくりと。消しゴム…