かつて、上野を出発した夜行列車は、静かに信越の山々を目指して走った。その先に待ち受けるのは、国鉄最急勾配・碓氷峠。日本で唯一の“C-C台車”を備え、3軸×2の力強い足でこの急坂に挑んだ機関車──EF62。 同じく補機として活躍したEF63が“シェルパ”と呼ばれるなか、EF62は長距離を牽く“本務機”として、夜を越え、山を越え、そして時に本州を縦断する旅にも挑んだ。 今回の「AI嬢ミナと語る」は、今なお静かに保存されているEF62 54号機の記録をもとに、碓氷峠の、そして昭和の鉄路の記憶をたどる。