メタ倫理学というのは、どう生きればよいのかをめぐる規範倫理学に対し、そこに出てくる「良い[good]」や「べき[ought]」はそもそもなんなのかを考える分野である。私の専門は美学だが、美学は広義の価値論の一種であり、とくに最近はメタ倫理学方面の知見を引っ張ってくる美学者も多い。なので、私もコツコツ勉強しているが、まだ役牌ポンで上がれるようになっぐらいの段階だ。 私は美的価値をやっているので、自ずと関心は価値[value]ないし良さ[goodness]に関するメタ倫理学に集中している。最近、以下を読んである程度議論のポイントが分かってきたので、メモを兼ねて紹介しておく。 McHugh, Con…